Xidas 振動発電関連用語解説

MEMSとの違いAmalga

AmalgaとMEMSとの違い:

先ずはMEMSがどの様な技術から知る必要があります。
MEMSとは (Microelectronic Mechanical System)の事で微細機械と訳されています。半導体電子素子の超微細化を目ざす技術Microelectronicは半導体業界用語であり、半導体の微細化の事を示しています。半導体の微細化Microelectronic用語は1965年に提唱された「半導体の集積率は毎年2倍になる」ムーアの法則で使われ、半導体業界では永く使用されている用語です。簡単にするために、トランジスタが半導体の基本として説明すると、ICはこのトランジスタを半導体基板に載せて接続して製造します。トランジスタを密に詰め多くのトランジスタを小型にして配置配線すると性能が良くICの消費電力が低下します。トランジスタを離して配線が長いと無駄な熱が発生する事も知られています。この半導体微細化技術を応用して、半導体プロセスとレシピ(工程)で設計、製造したものが所謂MEMSと呼ぶ技術です。

従ってプロセス(製造方法)はサーフェイスマイクロマシニングしか可能ではありません。シリコンの上に膜を積み上げたり、削ったり配線に利用する金属を蒸着させ削ったり、洗浄して最終のMEMSのウエハーができます。大量生産に向く事と1枚のシリコン基盤から取り出せるICチップが多いので、100万個位は量産が簡単でIC単価が安くなる特徴があります。今のスマートホンの様なMEMSを大量に使用する製品には最適な部品とも言えます。
アップルのiPhoneだけでも150個位のMEMSが使用されています。圧力センサ、マイク、スピーカ、加速度センサ、気圧計、ジャイロスコープ、光スキャナ、スイッチ、フィルター、表面弾性波RFフィルタ等々が実現しています。MEMSの製造の限界は平面構造である為、精度よく積み上げ削る(最近では掘る)配線するという製造方法のみに対応する事です。MEMS発明以来製造方法や材料はほとん進化していません。ゲート幅を細くする、トランジスタを小型化する、配線距離を短くする等などのレシピと製造装置の進化はまだまだ続き最新微細化は2-3年で老朽化します。その老朽化した製造装置は急激に安く市場に出回ります。その為2-3世代前の製造工程で製造できるMEMSには無限の可能性があり、永くはカリフォルニア大学アーバイン校のベックマン教授を始め、多くの大学や企業で研究しています。
さて、XIDASのアマルガと呼ぶ製造技術の発明とは何でしょう?
半導体技術を使わない、全く新しい製造法とレシピの発明です。
一般的に半導体設計にはEDAと呼ぶシステム(ソフトウエア)を使用して設計が行われ、回路設計からレイアウト迄を効率良く自動設計する様になっています。MEMSの設計もこのEDAと呼ぶツールで設計ができます。
アマルガはEDAを使用しません。使用する設計ツールは機械設計のCADと電磁界シミュレータと呼ぶ電子回路には関係のないツールで設計を行います。

1. MEMSでは半導体同士を機械的に組み合わせられない。MEMSは一度ウエハーに回路は配線済にした場合、それが最終製品になり、2種類のICや複数のICの回路配線は可能ですがこれはMCMと言う技術でマルチチップモジュール化は可能だけど、電気的に繋がっているだけで相互の関連性は持たせられません。メモリーとCPUと画像処理SOCを一つのICに集積可能ですが半導体前工程製造装置ではなく、後工程と呼ぶ別の半導体製造方法を用います。

2. MEMSでは基本的に半導体(シリコン)上に形成できる、半導体製造装置で使用可能な材料を使わないといけません。(これが微小機械にMEMSの選択肢を狭めている一番大きな問題です)

3. MEMSでは3次元構造体のバネやプラスチック等の膜や構造を使えない。又半導体では永久磁石を形成できない問題もあります。

上記の僅か三つの限界で多くの製品はMEMS(超小型化)を断念しています。
多大な情熱と費用をかけた米国TI社などは革命的な技術をこの分野に持ち込みましたが、MEMSの上にプリズムや鏡を置く方法の発明です。デジタル・マイクロミラー・デバイスとして映像分野の大発明をしましたがMEMS業界ではこれ以上の発明はありません。映画業界ではアカデミー賞を取りました。
話を戻しますが、この様にMEMSに応用が出来る製品は限られている為、MEMS以外のもっと自由な使用法がある製造法とレシピを発明しなければならない!との夢を持ちXIDASはアマルガという大発明をしVP3は実現しました。
これまで超小型化を断念したアイデアを復活出来る様になります。そこで最初に開発を試みたのがリレーです。
リレーはスイッチの一種で電気経路の切り替えの為に、今でも年間数100億個が世界中で利用されています。大電流が流れ、確実に何十年も動作する機械的な電子部品です。コイルとバネと電磁石で構成され小型化が難しい製品です。日本の工業製品では最も多く使われる部品で、日本に多くのメーカが存在します。このリレーの小型化には、いまでも挑戦者が多くいます。
半導体スイッチが何れリレーに代わるかもしれません。但し半導体は電気を消費する事と損失が大きいという欠点があり、又非線形性が強いのでまだ大量生産には成功していません。XIDASの前身のインテグラデバイス社はこのリレーをアマルガで開発し製造にも成功しました。

大学での研究や無線通信分野の大発展で、ワイアレス機器が増えている事に注目しました。ワイアレスIoT分野です。さらなる普及の為には全ての構成部品の超小型化と低消費電力化が必要であり、電池も含め再開発が必要な事をXidasは認識しました。このアイデアをヒントに、IoT分野で電池や充電池に代わる、永久に電池交換不要な製品を開発する目的の商品がVP3でした。只、カルフォルニア大学アーバイン校では新発電技術は研究していないので、世界で最も普及している「ファラデーの電磁誘導発電機」を使おうと決心しました。
電磁式発電方式の技術は成熟しており、小型化の要求がなかったので製造会社もなく世界初のVP3が誕生します。
VP3の技術的に優れているのは構造が単純な事です。(振動子を揺らす>コイルに誘導電流が流れる)たったこれだけの原理です。超小型に発電機を大量に詰め込むアイデアです。アマルガ技術では、新方式の機械を設計ができますので色々な応用が考えられます。

VP3の周波数依存性について

VP3の周波数依存性は何故高く、振動周波数が変わると使えなくなるのか?の疑問をもつ顧客もいます。
製造技術がそれだけ洗練されているという事の一言です。
一般的に電子回路設計をしている研究者はハイQを目指して設計をします。回路設計者の目標はハイQな物を作る事です。発信機やオシレータ、フィルター、アンプ等の基本アナログ回路はQが高い事が性能が良いとされています。Qはクオリティファクタと呼び、キャパシタやインダクタにも要求され使われる仕様です。
Qは如何に不純物が含まれていないか、綺麗な設計であるかでQは決定されます。CAPやINDでは抵抗成分や寄生容量や寄生インダクタンスが大きいとQは低くなり、マイクロ波用部品でも加工精度が悪いとQはたちまち悪化します。Qが低い事こそが性能の悪さでもあります。

VP3は製造精度が高く5Hz程度振動周波数が変わるとは発電(共振)しなくなります。51Hzの振動でも内部は50Hzで振動します。普通はこれで問題ないのです。同じ筐体内に発電素子を並べると、「振動のシンクロ現象が起きます。これは全ての振動子が同じ動きに同期する現象」でメトロノームのシンクロ動作モデルで説明できます。
「ジェフ・ミルズ × 東京フィルハーモニー交響楽団のポエム・サンフォニック」をご覧ください。
全ての振動子は同期して同じ揺れを続ける事になります。振り子運動や、バネの様な上下運動は固有の共振周波数を持ち、それは物理学の法則です。また産業機械の振動も交流で機械類が動いていれば、電力会社の周波数の安定性で揺れていますので、振動周波数が変わる事は絶対にありません。
尚日本の東京電力では 北海道で±0.3Hz 東京±0.2Hzになる様にしています。尚アメリカは0.018Hzとさらに厳しい基準です。

振動が止まった場合発電がどの程度持つのか不安

VP3は振動のある場所で使う事が前提です。産業機械は1g程度で必ず揺れています。機械振動の全くない事は想定していません。
おそらく哲学的な課題を含みます。大規模停電等があり世界中や日本中の産業機器が全て止まる事もあるかもしれません。信号も止まり自動車は走れなくなり飛行機も飛ばない。。その場合産業機器の振動はなくなり、静かな振動のない世界になるかもしれません。
その場合でもVP3は内蔵の大容量の蓄電池を内蔵しているので低消費電力なセンサや通信機能ならば2-3日は持つように設計しています。IoTの先にある筈の通信相手やクラウドが動いていれば停電でもメンテでもセンサーの信号は通信出来ます。VP3はメンテナンスや夜間の機械停止や夜間の列車運行停止等の通常の使用を想定しています。自然災害や有事や台風大規模地震は想定していませんが、その様な有事での用途(バックアップ電源として)のアプリケーション向け製品もアイデアがあれば開発できるかもしれません。

メーカ名

Xidas

(ジーダス)

所在地

46 Waterworks Way Irvine,California 92618

TEL

949-930-0147

URL

www.xidas.com

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